大学入試、2025年は商業高校躍進の年

 指導要領の変更が2025年度の大学入試から反映される。
 おかげで浪人はできない、と追い詰められた受験生、数うちゃ当たるの戦術なのか2024年度の入試は名目倍率がやたら増えている。影響はすでに顕われているということだ。
 この調子だと2025年はどうなるのか?「予断を許さない」と評論家のように逃げたり、「(あらゆる)可能性がある」と専門家を気取ったりしたいところであるが、大胆に予言しよう。
「商業高校が躍進する」
 関東限定になるかもしれないが。

 立教大学が文系の選択科目に「情報」を入れると発表した。しかも「得点調整なし」らしい。
 共通テスト利用入試なので目立たないが、これが商業高校の生徒に有利ではないかと思ったのだ。立教大学は英語については独自入試をほぼ全廃し、外部試験に頼っている。これを利用して、英検準一級でスコアを固めて秋は残り二教科に注力。テストは学部共通問題だから最大4回チャレンジできると乱れ打ち!の戦術が受験生にとって一つの定番である。この場合、2月にテストを受けるのは二教科のみということになりずいぶんと楽になる。しかし、そうであっても、それなりに高いハードルである。自分にはとても、と思う人もいるだろうが、そのうちの一つが「情報」となると話は変わってくる。
 というのは「情報」、商業高校では特に力を入れて教えている教科(らしい)からだ。そして今のカリキュラムでそんな難しい問題出せますか?基本情報技術者試験にパスする人ならほぼ満点が狙えるのではなかろうか。そうなれば残る一教科は「国語」しかも現代文のみ。もちろん学力の蓄積が必要な教科だが、まるで歯が立たない、ということはない。
 肝心の英語であるが、商業高校の中にも英語教育に力を入れているところはあるし、幼少期から英語を仕込まれている人は珍しくない時代だ。
 何らかの理由で、商業高校に通ってはいるが、すでに英検準一級を取得していて、あるいは今から取得できそうで、情報もそこそこできて、現代国語だって苦手でなければ「ワンちゃんある」生徒はかなりの数でいそうな気がする。いや、準一級も必須というわけではない。共通テストで点を取る方がタイムパフォーマンスはよい、というのは従来から言われてきたことだ。英検利用が選好されてきたのは一発勝負を避けたいのと、受験時期をずらせたいという理由なのであろう。
 となると各商業高校にその気になった生徒が一定数現れて「今年はボーナスステージかも!」と張り切るんじゃなかろうか。ポイントは「情報」の採用が「立教大学」というそれなりに影響力のありそうな大学のものだ、ということ。追随する大学も出てくるだろう。  というわけで「商業高校の躍進」を予測したわけだ。

 立教には届かなくても、その努力は無駄にはなるまい。国語・英語の二教科入試の大学を中心に商業高校出身者が食い込むという構図が、あちこちで見られそうだ。

勉強応援サイト、ホーム
「はりせんかまし」ホーム inserted by FC2 system