MARCHが妙にもてはやされているわけ

 うちの子の受験に付き合っていて理解したのだが。
根源は「ゆとり教育」にあるようだ。

「ゆとり教育」が始まった時、こう考えた人がいるに違いない。

 ゆとり教育で、公立学校は水準を下げることを余儀なくされる。ここで従来の指導要領で生徒を教育すれば、従来どおりの学力を身に付けさせることが可能であることは証明されている。更に土曜日も授業を行えばさらに底上げすることも可能である。私立圧倒的有利な時代が来たわけだ。
 というわけでさらなる上積みを狙って「私立中高一貫校」が作られ/目標を新たにし、てきたのだろう。当初の目的はドラゴン桜の表現を借りれば「東大合格100人」だったと思う。しかしながら、開成、灘、桜蔭に追いつくことは難しい。そもそも東大の定員は限られている。渋谷学園幕張(1983創立、1986中高一貫化)のような成功例はあるにせよ(ちなみにサッカー選手の闘莉王は初期の卒業生)、やはり東大合格者を続々出すのは難しい。
 ではどうするか?幸い中学から私立に行かせる親だし生徒だ、私立大学に進むのをある程度当然視してくれるだろう。金銭的な裏付けも多分ある。というわけで科目数の少ない私立!で合格実績を積み上げることを考えた。これが私立の学部新設による定員増加の流れとマッチした。もちろん「目指せ早慶」なのだが、私立は併願が楽だ。というわけで早慶のちょっと下のボリュームゾーンが合格実績を見せるためにも必要となる。そこにピタリと収まったのがMARCHと呼ばれる大学群。というわけで私立中高一貫を含む受験産業はMARCHを持ち上げることになった。
 ただし「MARCHはいい大学」という認識が広まると、当然難易度は(見かけ上であっても)増すのがポイント。

 さて、割りを食ったのは地方公立高校である。それでも東大に行く新設私立中高一貫校の子は増えちゃったもんだから地方公立高校の東大進学実績はジリ貧になる。となると彼らが実績として誇れるのは「地方国立大学」の進学者数しかない。
(地元にさほどの私立大学がない地方私立高校はあいかわらず地元国立大への進学数を上げるべく注力しているので、それらの学校にとっては色々悩ましい時代です。)

 ここで見られるようになったのが、進学先として私立と国立を狙う層が別のものになってきたということ。当然「偏差値」にも格差ができる。とりあえず誰もが全科目がんばって模試を受けて、偏差値が出ていたものが、私立専願は私立専願で偏差値が出る。国立は相変わらず。なので「偏差値というものさし」で学力が比較できなくなる。
 これに、学生確保のための推薦が加わる。(え、一般入試が三割?)大学の難易度ってなんなの?って気持ちになりませんか?
 でも安心してください。収入のために名前を切り売りしている(推薦を増やしすぎた)大学は、徐々に評価が下がっております。

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